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危険な腰痛 |
ここで言う”危険な腰痛”とは、癌が原因の腰痛、感染性脊椎炎、解離性大動脈瘤などの重篤な病気の場合ですが、他にも注意を要する疾患として、ヘルニア、脊柱管狭窄症、圧迫骨折などがあります。
癌の場合、いきなり初めから腰椎にできることは稀だと言われていますが、他の身体の部位の癌からの転移で、腰椎に癌が出来ることはあります。
過去に癌になったことがある人で腰痛になった人は、一応このことも頭の中に入れておく方がいいでしょう。
通常の腰痛と癌による腰痛の場合は、その痛み方や症状に違いがありますし、普通の腰痛の治し方では中々改善しないものです。
まず、通常の腰痛の場合は、何かしら腰痛が楽になる姿勢(横向きで寝るとか)がありますが、癌による腰痛の場合はどんな姿勢でも痛むものです。
また、腰痛がだんだんひどくなる、痛み止めの薬を飲んでも効果がない、夜寝られないほど痛む、足の方へ痛みやシビレが出てきた、排尿・排便に異常が出てきた、という場合は危険な兆候ですので、速やかに病院で診察をうけるべきです。
解離性動脈瘤は、あの石原裕次郎さんの罹った病気ですが、高血圧の症状と腰部・背中の激しく動く強い痛みが特徴とされています。通常の腰痛とは痛み方が違いますので、腰椎由来の腰痛と誤ることは少ないでしょう。
感染性脊椎炎は、細菌感染による脊椎の炎症が原因となっていて、全身の発熱がともなう場合が多いでしょうから、これも通常の腰痛とは区別しやすいと思われます。しかし、中には慢性のものもあるようで、その場合は見逃される可能性があるかもしれません。
ヘルニア、脊柱管狭窄症は坐骨神経痛を伴うことが多く、足先へ痺れや痛みを発症することが多いですが、通常の腰痛と紛らわしい部分もあります。これらは痺れなど神経症状を伴いますが、長い間放置すると治りにくくなる可能性がありますので、一度は病院を受診するべきです。
また排便の異常などが出てきた時は重症ですので、すぐに病院を受診しなければいけません。
腰椎の圧迫骨折は、高齢者に多いですが、スポーツや事故などでも起こります。高齢者の場合、胸椎の11、12番と腰椎の1番目あたりに多く起こる傾向があります。つまり腰の上の方に起こりやすいわけです。骨が潰れるので、場合により骨の脇から出ている神経を圧迫し、腰痛だけでなく坐骨神経痛のような症状が出ることもあるでしょう。予後は悪くはありませんが、病院での治療が第一選択になります。
これらの腰痛は自己流の腰痛の治し方は向きません。
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